少年社中「ロミオとジュリエット」観てきました。
争いあうモンタギュー家とキャピュレット家、モンタギューのロミオはキャピュレットのジュリエットに恋し結婚の約束をする……
が、ジュリエットは男。
それでも二人は両家を和解させるため、争いを無くすため、大切な人を守るため力を合わせる約束をする。
そんな話。
初っぱなから下ネタとホモネタ(ロミオの腰巾着なベンヴォーリオ)の応酬でどうなることかと思いましたが、勢いがあって楽しかったです。
話の筋は大体原作通り。
……パリスは何度も何度も何度も男色趣味を聞かれてたわけだけど、死ぬまでジュリエットが男なことには気付いてなかったのかしら……。
踊らされてると思いつつ、ロミオとジュリエットのラブっぽくも同性の男臭い友情にきゅん。
ロミオは最初勘違い(女だと思ってた)でジュリエットが好きだったわけだけど、「男でも好きだー!」とはならないあたりが好印象。
いっちゃえよ!とも思ったけど(笑)
ロザラインの活躍とパリスの陰謀が大きな違いかな?
それ以外、特にロミジュリの別離~自殺の展開は結構原作通り。
なので、ジュリエットを男にした意味があったのかなーと思ってたんですが……ラストシーンでやられました……!
ジュリエットはロミオの後を追わず、自らも剣をとることをロレンス神父に誓います。
死体の山の中、背を向けたジュリエット──を引き止めたのは、ロミオ。
「死神をぶん殴ってやった」と一命を取り留めたロミオは、ジュリエットとともに戦い続けることを宣言。
二人は肩を貸しあい、戦火のヴェローナへ、光の十字架へ向かって歩いていく……
状況としてはかなり絶望的なんですが、何故か希望が残るラストシーンでした。
普通に考えれば死ににいくようなものだけど、どんなご都合主義でもいいから生き残って欲しいなぁ…。
ロミオの服毒の間際にジュリエットの腕が動いた時には、逆に運命の悪戯の残酷さに余計ショックでしたが、だからこそこのラストに希望を感じたのかも。
カーテンコールの、両家当主やマキューシオとティボルトが握手をし、両家の人間達が仲良く肩を組む姿はIF世界でも感動でした。
あああ良かったね…!
古典がどうの暗喩がどうのメッセージ性がどうのというより、笑えたとか泣けたとか誰がカッコいいの誰が可愛いの燃えたの萌えるの、そんなん云えた人が一番楽しめた気がします。
今回「二人が生き残ったらいいな」と思ったように、作品の枠(尺)の外の展開に希望(要望)が持てる、というのが結局のとこ「良い作品」なんじゃないかな、とか。
ベンヴォーリオやマキューシオ、ティボルトにロザライン、ロレンス神父はいいキャラしてます。
乳母や両家当主達、パリスなんかも皆濃い。
キャラのインパクトがあるので見易い=展開にはついていきやすいのではないかと。
それにしてもジュリエット麗しいな……!
女装が背の高い女性だよ。
男装もかっこ可愛いです。
モンタギューは緑、キャピュレットが桃でイメージカラーが統一されてるのですが、ジュリエットの男装には桃がない=キャピュレット(≒女としての生)を捨てる、てのもあるのでしょうか。
美術も、角材を格子状に組んだ抽象的な舞台が個人的に好み。
元々高低差のある舞台が好きなんですが、更にラストの十字架の形の逆光が印象的でした。
音響もクラシカルでカッコいい。
値段分以上に楽しめる舞台でした!
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