『どうせおれが忘れると思って話してんなら、それって、人形相手に話しかけてんのと方向性同じだろ?そういうやつを『さびしい』っていうんだぞ、余白にメモっとけ!』
最近児童書がアツイです。
しかし……これは……どうなんだろう……。
真顔で読めない。
そんな感想。
タイトルから判る通り、少年二人の現代SFモノです。
松永タケルのクラス・小夢野中学2-Aに、超美少年・雨龍しのぶが転校してきた。
それからタケルの周りでは奇妙なことが起こり始め…という、ボーイ・ミーツ・ボーイ。
……つまり、冒頭の台詞も男→男です。笑!
そんな腐展開満載ですが、多分意図的かと……。
腐女子スターズなるものが登場するので……話自体には殆ど絡んでこないですが。
しかしそのネタを児童書でやるってどうなのよ……
あれか、腐の英才教育か!そんなの嫌だ!
まぁ基本的に私は火のない所に煙を立てるよりはボヤを大火事にする方が好きなので
(寧ろハマるキャラはボヤどころか原作から大火事なキャラばっかです)
充分きゅんきゅんさせていただきましたが。
そもそも「美少年二人が活躍する」というあたりにホイホイされたわけですし。
中二って年齢もばっちりだよね!14歳!素晴らしい!
主人公タケル(本人自覚なしだが結構な美少年設定)が初っ端、しのぶの転校シーンからやらかしてくれます。
初対面の印象は「強く掴んだら折れちゃいそう」「ぎゅっと抱きしめると、きゅーんとしなっちゃって…」に始まり「黒々と大きくうるんだ目」「さらさらの黒髪」そして全編に渡って「桃みたいな肌」を連呼してくれます。
落ち着いて!いや本当いろいろと!
いや一応「抱きしめる」に関しては重要なキーワードとして後々出てくるんですが……いやでも関係ないだろうな……。
タケルの家の「力」にあてられふらついたしのぶを支えるシーンでは、うっかり服だけ掴んで腹チラさせた上最終的には抱きしめる形になり、直に脇腹に触って「ほんと、桃みたい」などという寒い考えをしてくれます流石主人公。
しのぶの「なでるのは……だめ……」というリアクションも大概だと思うがな!
ちなみに 挿 絵 入 り で電車の中で非常に居たたまれなかったです。
しのぶは一巻の時点だとバックボーンがほとんど判りませんが、「帰る所がない」といってるあたりどうも複雑そう。
「自分は孤独だ」という旨を洩らしかけては飲み込むを繰り返しています。
が、特殊な耳を持ってしまったタケルには筒抜けな訳で。
記憶を書き換えるからという前提で自分のことをタケルに教えたしのぶに対する台詞が冒頭。
最終的に、タケルから頑なまでに一定の距離を取り続けていたしのぶがデレた……もとい、
『ぼくは今、タケルに忘れられたくないと思っている。きみにも上書きすべきなのに、きみの記憶から消えたくない。忘れないでほしいと思うぼくを……タケル、許してくれる?』
と告げた時には切なくも愛しくて……!
ツンデレとは違うけど、そういうギャップ萌えですよね。
ちなみにタケルは抱きしめることで「是」を伝えるのですが(殴られて喋れないと云うのもある)、それもまた挿絵付き。勘弁してくれ。
タケルの云った、「孤独を誰にも聞かせないことが『孤独』」というのはなんか凄く納得してしまいました。
しのぶは報告書で勢い余って「孤独である」ことを書いちゃうと、それを削除しちゃうんですよね。
報告書なのだから私事は書かないだろうけど、誰にも聞かせられないからこそ重さがある。
そんな重さをタケルが受け取ったっていうのがいいなぁ……と。
しかしそれを上回るしのぶの天然ぷりの方が凄いですが。
異星人故の言語的から云われたことをそのまま文字通り受け取っちゃったり。
色々な理由でタケルが「どんなパンツ穿いてんだよ」とツッコめば路上で脱ぎ出したり。(タケルが全力で止めますが)
何故かチョイスした長ランの裏地模様を見せるために脱ぎ出したり。
こっちもタケルが止めるのですが、別に上着を脱ぐぐらいいいのでは……と思うのは私だけでしょうか。
いや、仮にも制服の裏に虎刺繍は生活指導的な意味ではマズいかもですが……。
しかしタケルの止め方の方がどうかと思いますせんせえ。
『こいつを脱いでいいのは、おれとふたりっきりのときだけ。わかった?』
いやいやいやいやいやいやいやいやいや(ry
納得するしのぶもしのぶだが!
そしてそれが〆な一巻……どんだけ!
割とお試し気分で買った一巻ですが、多分続き買います……
タケルとしのぶのコンビはなんだかんだで可愛い。
しかし「アニメ化したら声優誰かな?」より「実写化したらしのぶは某人にやってもらいたいなぁ……」と思ったあたり本格的にダメです何かが。
でもリュウ時代の彼は本気でしのぶ似合うと思うんだぜ。
今は髪型変わっちゃってるからアレだけど。
でも髪型合わせたら美少年ぷりも桃肌も合うし、口数より顔芸の役回り向いてると思うんだぜ!結構本気で!
……強いて云うなら、身長が……足りない……かも……笑
余談ですが、タケル&しのぶと周囲の評価はなんとなくバカテスの明久&秀吉を思い出します。
主人公・タケルと明久はそれぞれ視点のキャラでもあるので文中に容姿の詳細はないんですが、周囲の評価は明らかに美少年扱い。
(タケル→腐女子スターズの追っかけ対象 明久→女装似合う&同性愛モテそれぞれ校内ランク一位)
その主人公が、同性であるにも関わらず手放しで褒めているのがしのぶと秀吉。
勿論周囲も美形扱い。
美少年キャラ自体は珍しくもないですが、視点である主人公が本人気付かずさりげなく美少年設定ってあたりに似た匂いを感じたのかもしれません。
(主人公が美少年の場合、三人称視点で主人公の容姿褒められてたり稀ーに自分で「かわいい顔立ち」とか云っちゃうのが多い気がする。もしくは逆に、絵的に美形でも設定的には十人並みだったり)
PR
この記事にコメントする