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『学校』と呼ばれる組織に属する二人の少年。

明朗快活な明。
冷静沈着な涼。

正反対の二人の、ある一夜。
現状、一番書いてるコンビかも。


 遅い梅雨は、闇の帷にも薄い雲を残していた。
 風が強いのか、月明かりに浮かぶ影は波のような早さで流されていく。

 夜といっても夜更けには未だ早い。
 都会の街は明るく、部屋の灯りを落とせば窓からの光が壁に四角い形を切り取った。
 早々の寝間着姿で窓辺の椅子に向かい合い、微かに光る星を探す。

「ねぇ、リョウ」
「なに」
「あれ、フキゲン」
「眠いんだよ」
「まだ十時だけど」
「今日は疲れたんだ」
「織姫と彦星って、なんで離ればなれになったんだっけ」

 訊ねると、博識にして聡明なパートナーは伏せていた瞼を上げ少し考えてからなんてことなさそうに口を開いた。
 長い睫毛が頬に影を落とす。

「夫婦生活に現を抜かし、互いに仕事をしなくなった。だから罰として引き離されたんだ」
「ふーん…二人で一緒に仕事すればいいのにね」

 明の言葉に、涼は小さく笑った。

 昼は共に笑いながら牛を追い、夜は共に歌いながら機を織る。
 ただ寄り添うばかりが共に生きることではなく、生きる為に共に戦う。

「俺達みたいに?」
「莫迦云え」

 笑った顔が見れたので嬉しくなって調子に乗ったら案の定小突かれた。

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