偏食家の大学生「藤瀬耀也」と世話好き高校生「高槻門真」は幼なじみ。
耀也が体調を崩したのをきっかけに、二人は同居することに。
という設定の下お料理DSみたいなBLゲが作りたかった。
一雨来たのだろうか。
アスファルトは重く濡れ、独特の匂いと蒸すような湿気った熱が立ち上る。
夜の闇は熱を冷ますには未だ足りない。
雨上がりの空はあまり冴えず、それでも僅かな星が瞬いていた。
「今日の晩飯、どうしようか?」
「……」
「耀也?」
「…星が見えない」
「星?」
「織姫と彦星が会えないだろ」
不機嫌そうな呟きに、門真は吹き出した。
大学生になった二つ上の幼なじみは、相変わらず気まぐれらしい。
「今時その台詞を聞けるとは思わなかった。しかも大学生から」
「五月蠅いなぁ、…別に、信じてるわけじゃないけど」
「一年に一回と、一週間だけ毎日と、どっちかっつったら?」
「どっちも御免だ」
「年がら年中毎日会えれば満足なのかよ」
「俺達みたいに?」
「キショいこと云うな」
云ってやったら、耀也は「幼なじみに酷いな」と笑った。
嘘だよ。
アンタが倒れたって聞いた時はびっくりしたし、心臓飛び出るかと思ったけど、でも、また会えると思ったら嬉しかったんだ。
一年に一回じゃなくて。
一日三食、傍にいることが。
「晩飯。どうする?」
「たまには俺が作ってやろうか」
「…怖いからいやだ」
「それ、どういう意味だよ!」
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